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中上健次の熊野大学構想を聞く 中上健次が亡くなって、もう12年がたつ。中上健次には「近代文学を背負った世界的な小説家」という顔ともう一つ別の顔がある。それが熊野大学の構想と実践だ。 彼の生前から熊野大学は、野坂昭如、瀬戸内寂聴、石原慎太郎、水上勉ら多数の文化人を熊野に招き入れている。昭和の歌姫・都はるみを復活させたのも熊野大学だ。 彼の死後も、その遺志を継ぐ人達によって活動は続いている。各界の著名人らを招いてのセミナーは今や熊野の夏の恒例行事だ。 そんな熊野大学代表の松本巌さんに話を伺うことが出来た。代表は言う。 初めは私ら健次君の同級生らが酒を飲んでいて、「熊野を復興させよう」とか「社会的に弱い人らの為に病院や学校を作ろう」と。そういった話から、「今の日本にある既成の大学ではなく、世界的な視野に立った生涯をかけて学んでいくような大学を作ろう」そんな大きな話になっていったんです(笑)。 文学も医学も宗教も何もかもを取り入れたそんな学習の場です。 かつて熊野は京都が表の文化だとしたら、裏の文化として、ずっと日本の文化を支えてきました。その熊野を世界に示したのが健次君です。 熊野大学では、最近、本も出版しています。『牛王』(ごおう)という名の本です。東京や大阪の書店だけでなく、新宮の「荒尾成文堂」や「くまの書房」、勝浦の「南紀書房」「大文堂」でも販売しています。 今、この熊野大学から芥川賞作家や新人賞作家が出はじめていますよ(笑)。 にこやかに淡々と話される代表。その言葉の奥にはやはり中上健次同様の熊野への強いこだわりがある。 「熊野」は単に、世界の遺産としてでなく、現在も常に動いているとそんなことを思った。(まゆ) |
![]() 代表の松本巌さん(新宮市内のオフィスで) ![]() |
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