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水面の拡張工事本格化
元駐車場に水入る
来年3月末完成予定
新宮市の浮島の森


 新宮市の国指定天然記念物「浮島の森」ではかつての水環境を取り戻すための水面拡張工事が順調に進んでいる。すでに重機による掘削作業が行われており、森の東側にあった駐車場には水が入っている。来年3月末に完成する予定。

 同工事は平成16年度から市が進めている。事業費は土地取得費5300万円を含む約1億2000万円(土地8割、工事5割が国補助)。森の東側にあった駐車場を取り壊し、重機で約2メートルの深さまで掘り、水面を約800平方メートル拡張する。周囲はコンクリートで囲み遊歩道を設置する。完成すれば広い水面をもった本来の姿に近い浮島の森が見られそうだ。
 浮島の森の正式名称は新宮藺沢浮島植物群落(しんぐういのさわしょくぶつぐんらく)。寒暖両性の植物群落があるなど非常に珍しいことから昭和2年、国の天然記念物に指定された。現在の森はほぼ方形で、東西に85メートル、南北60メートル。総面積は約5000平方メートル。
 昭和初期まで森の周囲には広い水面があり、貴重な植生を育んでいたが、日本の高度経済成長とともに生活廃水が流れ込み、森の生命が失われる可能性もあったことから、浚渫(しゅんせつ)や埋め立てが繰り返され、コンクリート柵に押し込められた状態になった。
 昭和42年に台風34号の影響で島が南東に移動した記録が残っているが、現在は堆積物の影響で一部座礁状態にあるという。関係者らは今回の工事でかつてのように森が移動することも期待している。


水面拡張工事が本格化している浮島の森=11日、新宮市
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