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防災力を高めよう 「揺れたら逃げること」 防災技術講演会 近い将来起こる可能性があるとされている南海・東南海地震に備えて防災力を高めようと、県の県土整備部は17日、那智勝浦町体育文化会館で防災技術講演会を開き、新宮市から串本町までの地域防災の担当者ら約150人が、住民避難や地質について学んだ。 講演では津波や洪水などの災害時の住民避難について研究している群馬大学工学部建設工学科都市工学講座の片田敏孝教授は「災害犠牲者ゼロを目指して」をテーマに話し、「揺れたらとにかく逃げること」と呼び掛けた。 片田教授は災害時の人の行動に見られる基本的特性として情報が届いていても住民は逃げない場合が多いと指摘。その要因として自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価してしまう「正常化の偏見」を紹介した。 具体例の一つとして、建物内で非常ベルが鳴っても、すぐに逃げ出そうとする人がいないことを挙げ、正常化の偏見の表れとした。ほとんどの人は非常ベルに加えて、非常事態を裏付ける他の情報がないと、本当の非常事態だとは判断しない。逆に非常ベルだけで逃げ出そうものなら「慌て者」と笑われてしまうおそれさえあるとする。もしも大地震が起きた場合にどうするのかという問いにも、自分が被害に遭うことを想定した答えはないという。 片田氏は過去に何回か津波の襲来により犠牲者を出している津波常襲地域で03年の地震発生時における地域の避難状況を調べたところ、興味深い結果が得られた。住民の約90%が地震発生時に津波の襲来を思い浮かべたという。津波を警戒して実際に避難したと答えた人はわずか約2%に過ぎなかったという。その行動の裏付けとなったのは、正常化の偏見にあるという。ほとんどの人は「自分は大丈夫」と思ったようだとした。 片田氏は「逃げなければならないが、正常化の偏見によって逃げられない。揺れたら逃げる、自己を律する、地域のみんなで逃げる」とまとめた。 その他に応用地質株式会社関西支社の南部光広副支社長が県内の地質と斜面崩壊の特徴、神戸大学都市安全研究センターの沖村孝教授が防災と減災の視点から防災技術エキスパートの役割などをそれぞれ話した。 |
![]() 「ゆれたら逃げる」と話す片田氏 ![]() 防災について学ぶ参加者ら=17日、那智勝浦町体育文化会館 |
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